コラム

2015.10.27

コンプレッサーあれこれ

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ターボ圧縮機のひとつ「軸流式圧縮機」

機械によってエネルギーを与え、気体を高圧にして送出するコンプレッサー(圧縮機)は、用途・目的に合わせて様々な種類が存在します。先日の記事では、運動エネルギーによって気体を圧縮する「ターボ圧縮機」のうち、「遠心式圧縮機」をご紹介しました。今回は、もうひとつのターボ圧縮機「軸流式圧縮機」についてご紹介します。

軸流式圧縮機とは

機構内の回転翼の前後で生じる圧力差を利用して、内部の気体を連続的に圧縮するコンプレッサーで、「軸流コンプレッサー」とも呼ばれます。遠心式圧縮機と比べ小型でありながら大きな流量を扱えるのが特徴で、高圧縮率で高効率を実現可能。一方で、構造が複雑なため高価になりがちというデメリットもあります。航空用のジェットエンジンや高速船などのガスタービンエンジン、集じん機などに用いられます。

構造

円筒型のケーシング(外側)の中に軸となる円筒を配置し、ケーシングは固定されて軸側が回転します。ケーシングの内周にはステーターベーン(静翼)、軸からふくらんだディスクにローターブレード(動翼)が埋め込まれ、それぞれが互い違いになるように配置されます。これら静翼と動翼の2つを1セットとして「段(ステージ)」と呼び、機構内部に数段の列を形成。コンプレッサー内に流入した気体は各段を通過するにしたがって断熱圧縮されていきます。

機構内に複数の段が配されるのは、ひとつの段で得られる圧縮比が遠心式圧縮機に比べて小さいため。用途によってより高い圧縮比を得たい場合、遠心式圧縮機と組み合わせることもあります。

遠心式圧縮機との比較

以下の表は、多段化を基本とする軸流式圧縮機と、多段化は難しいものの1段あたりの圧縮比が大きい遠心式圧縮機、2つのターボ圧縮機を比較し、軸流式圧縮機のすぐれている点、劣っている点を一覧にしたものです。

遠心式よりも良い点 遠心式よりも悪い点
■面積あたりの流量が遠心式よりも多い

■多段化が容易

■大型化しても重量の増加を比較的抑えられる

■気体の流れが直線的なため損失が少ない

■比較的耐久性が高い

■小型化すると、効率も下がる

■部品数が多いため、コスト面で不利

■異物吸入による損傷のリスクが大きい

■所定の回転数で作動可能な流量範囲が狭い

■遠視式に比べ、サージング(コンプレッサーの失速など)が起きやすい

用途が広がる軸流式圧縮機

ジェットエンジンとしての用途で有名な軸流式圧縮機。近年では軸方向に空気を流す軸流式の限られたスペースへの活用法としてF1のエンジンにも採用されるなど、より用途が広がっています。 “コンプレッサー修理の匠”羽田コンプレッサーでは、各種コンプレッサーの修理・メンテナンスのご相談を承っています。コンプレッサーのことでお困りなら、お気軽に当社までご相談ください。