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圧力コンプレッサーとは何か?圧縮の基本原理を徹底解説!

コンプレッサーとは空気(またはガス)を外部から取り込み、内部で圧縮して高い圧力を得る機械です。圧力コンプレッサーは、その中でも特に高圧を必要とする用途に用いられる装置を指します。圧縮の基本原理は「気体の体積を縮めると圧力が上がる」というボイル・シャルルの法則に基づきます。

一般的には電動モーターやエンジンからの駆動力を使って、ピストン、ローター、ベーンなどの部品で気体を圧縮し、用途に応じた高圧力空気を得ます。圧力コンプレッサーは主に工業・医療・研究・管楽器やエアブラシ等の細かな作業まで、幅広く使用されている点が特徴です。

空気圧の仕組みとコンプレッサーで得られる圧力の種類

空気圧を理解するためには、圧力の種類を整理しておくことが重要です。主に以下のような圧力がコンプレッサーで関わります。

絶対圧(absolute pressure)は基準となる真空をゼロとして測る圧力で、気体の物理的な性質を論じるときによく使われます。ゲージ圧(gauge pressure)は大気圧をゼロとして測定する圧力で、一般的に機械の圧力計に表示される値はこちらです。差圧(differential pressure)は2点間の圧力の差を示すもので、フィルターやレギュレーターの性能評価に使われます。

コンプレッサーは使用目的によって、ゲージ圧で数十psiから数百psi、あるいは高圧ガス用途ではMPa単位の圧力を生成できる構造を持つ製品も存在します。

圧力とコンプレッサー構造の関係性

高圧力を生成するには、コンプレッサーの構造がそれに耐えうる設計である必要があります。圧縮室の強度やバルブ性能、シール材の耐圧性などがその代表的要素です。

構造面では圧力を高める方式ごとに異なります。レシプロ式はピストンがシリンダー内で往復運動し空気を圧縮します。高圧力まで対応可能ですが部品摩耗や潤滑性にも配慮が必要です。スクリュー式は対向スクリューで連続圧縮を行い、高効率かつ安定した圧力供給が可能です。ロータリー式は偏心ローターが気体を押し縮めて圧縮します。構造がシンプルで小型・低騒音化が可能です。

それぞれ、圧縮工程での熱や摩耗に耐える強固な構造や冷却、潤滑設計が組み込まれています。

高圧・中圧・低圧の違いと使用用途

用途に応じた圧力帯は以下の通り分類できます。

低圧(〜0.5MPa程度/〜75psi)はエアブラシ作業、塗装用、タイヤの空気圧調整などに使用されます。中圧(0.5〜1.5MPa/75〜220psi程度)はネジ締め、工具駆動、エアチャックなどに適しています。高圧(1.5MPa〜数MPa/220psi以上)はコンパクト空気タンク、呼吸用・医療・研究など高い圧力が必要な領域で使われます。超高圧(10MPa以上)は酸素・窒素の高圧ガスボンベや水圧試験に使用されます。

コンプレッサーの構造も圧力帯によって大きく変わり、高圧ほど強固かつ厳格な設計・素材が求められます。

圧力制御機構:安全弁・圧力スイッチ・レギュレーターの役割

安定した圧力供給と安全運転には以下の機構が欠かせません。

安全弁(リリーフバルブ)は設定圧力を超えると自動的に開放して事故を防ぎます。圧力スイッチは設定圧力を超えるとコンプレッサーを停止・作動させて圧力を制御します。レギュレーターは高圧空気を機器に適切な圧力に調整する装置で、細かい圧力制御が必要な作業には不可欠です。

これらの仕組みはコンプレッサー構造図にも反映されており、安全かつ高性能な圧力運用を支えています。

圧力の単位と測定方法:MPa、bar、psiの違い

コンプレッサーや圧力計では以下の単位が使われます。

MPa(メガパスカル)は日本国内で工業用途に多く使用されます。barは欧州圏で一般的な単位で、1barは0.1MPaに相当します。psi(ポンド毎平方インチ)は米国などで主流で、およそ6.895kPaに相当します。

圧力測定にはピトー管、センサー、アナログ・デジタルゲージなどが使われ、圧力ユニット変換により用途に適した値で運用する必要があります。

圧力トラブルを防ぐ運用管理とメンテナンスのポイント

圧力トラブルを回避するには以下のような運用と点検が重要です。

定期点検としては圧力スイッチ・安全弁の動作確認が欠かせません。圧力計校正も重要で、ずれた数値を補正し、正確な制御を支えます。配管やフィルターの清掃・交換により目詰まりによる圧力低下を防ぎます。潤滑と冷却の確認も忘れず、オイルやクーラント量が適切か点検する必要があります。

これらの項目は、構造図と照らし合わせて点検作業時にどの部品を確認すべきかを判断する助けになります。

圧力と消費機器の関係:必要な空気圧をどう見極めるか

使用する工具や機械には各々適正空気圧の仕様が定められています。例えばエアインパクトレンチでは3~5bar程度、エアドリルでは2~4bar、エアブラシでは0.5~1barといった具合に圧力要求も異なります。

「圧力-流量」の関係を把握し、消費機器に最適なコンプレッサー能力を選ぶことが、効率的かつ安全な作業に繋がります。

まとめ:圧力コンプレッサーを正しく理解し、目的に合った使い方を

圧力コンプレッサーの主要部分と構造は、求められる圧力に応じて設計され、バルブ類、安全機構、冷却・潤滑システムなどが組み合わされて性能を支えています。また、適切な圧力帯を理解し、測定・制御・点検を正しく行うことが、安全で効率的な使用には不可欠です。

本記事で紹介した知識を活用することで、コンプレッサー選定から使用・保守まで、しっかりとした理解と運用が可能になります。圧力という視点からコンプレッサーを正しく評価し、目的に合った機器を導入する一助になれば幸いです。

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