
ブースターコンプレッサーとは?役割・用途・選び方をわかりやすく解説
工場の中で「この機械だけは、どうしても高い圧力の空気が必要」という場面に出会うことがあります。
たとえばペットボトルの成形や気密試験、レーザー切断のアシストガスなど、一般的な圧縮空気の圧力では足りないケースです。
だからといって工場全体の圧力を上げてしまうと、電気代が大きくふくらんでしまいます。
こうした悩みを合理的に解決してくれるのが、ブースターコンプレッサー(増圧機)です。
ブースターコンプレッサーは、すでにある圧縮空気をさらに高い圧力まで「昇圧」する圧縮機です。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、考え方そのものはとてもシンプルで、必要な箇所だけを局所的に高圧化することで省エネと合理化を両立できる、という点に大きな魅力があります。
一方で、似た名前の「増圧弁(エアブースタ)」と混同されやすかったり、元になる圧縮空気が前提という重要な特徴が見落とされがちだったりと、押さえておきたいポイントもいくつかあります。
この記事では、ブースターコンプレッサーとはどのような機械なのかという基本の定義から、仕組み、入口圧・出口圧・風量の目安、増圧弁との違い、代表的な用途、省エネ効果、失敗しない選び方、安全と法令の基礎知識までを、コンプレッサーに詳しくない方にもわかりやすく順を追って解説していきます。
導入を検討する前の整理に、ぜひお役立てください。

ブースターコンプレッサー(増圧機)とは?一言でわかる定義
ブースターコンプレッサーとは、ひとことで言えば「すでに圧縮された空気(元圧)を、さらに高い圧力まで昇圧する圧縮機」です。
増圧機やブースタコンプレッサと呼ばれることもあります。一次側のコンプレッサーがつくった圧縮空気や、場合によっては窒素などのガスを吸い込み、それをもう一段高い圧力へと押し上げる役割を担います。
ここで大切なのが、普通のコンプレッサーとの違いです。一般的なコンプレッサーは、まわりの大気(常圧の空気)を吸い込んで圧縮します。
これに対してブースターは、大気ではなく「すでに圧縮されている空気」を吸い込んでさらに圧縮する、いわば二段目の役割を持つ機械です。
つまり、元になる圧縮空気(元圧)があることが大前提になります。
この「元圧があることが前提」という点は、ブースターコンプレッサーを理解するうえで最も重要な核心です。
ブースター単体では空気をつくり出すことはできず、一次側のコンプレッサーがしっかり圧縮空気を供給して初めて、その能力を発揮できます。
後ほど詳しく触れますが、ここを取り違えると選定でつまずきやすいため、まずはこの基本をしっかり押さえておきたいところです。
なぜブースターが必要なのか:工場全体を高圧にしない合理性
多くの工場では、高い圧力の空気が必要なのは一部の機械だけ、というケースがほとんどです。
ライン全体では0.5〜0.7MPa前後の圧縮空気で十分なのに、特定の工程だけ1.5MPaや3MPaといった高圧が求められる。
こうした状況は決して珍しくありません。
このとき「だったら工場全体の圧力を上げてしまえばいい」と考えたくなりますが、これは省エネの観点からは得策とは言えません。
圧縮空気は、吐出圧力を上げれば上げるほど多くの電力を消費します。一般に、吐出圧を1bar(約0.1MPa)下げるだけで消費電力を数%程度削減できると言われており、逆に言えば全体を高圧運転すると、たった一部の機械のために工場全体の電気代が大きくふくらんでしまうのです。
そこで登場するのが、ブースターコンプレッサーによる「局所昇圧」という考え方です。
ライン全体は無理のない圧力に保ったまま、高圧が必要な機械の直前にだけブースターを設置し、その場所だけ必要な圧力まで増圧します。
必要な箇所だけをピンポイントで高圧化するこの発想こそが、ブースターコンプレッサーが選ばれる最大の理由であり、本記事を通してお伝えしたい中心的なメリットです。
ブースターコンプレッサーの仕組み・構造(一段昇圧と二段昇圧)
ブースターコンプレッサーの圧縮原理は、ピストンが往復運動して空気を押し込むレシプロ(往復動)式が主流です。
シリンダー内をピストンが行き来し、吸い込んだ圧縮空気をさらに小さな容積へと押し込むことで圧力を高めていきます。
すでに圧縮された空気を、もう一段絞り込むイメージを持つと、わかりやすいかもしれません。
昇圧の方式には、一段昇圧と多段(二段以上)昇圧があります。一段あたりで上げられる圧力比(昇圧比)は、機種にもよりますが、おおむね数倍程度が目安とされます。
求める出口圧が高くなるほど一段では足りなくなるため、二段、三段と段数を増やして段階的に圧力を上げていく構造が採られます。
出口圧が高い機種ほど多段化される傾向にある、と理解しておくとよいでしょう。
もうひとつ忘れてはならないのが冷却です。空気を圧縮すると必ず熱(圧縮熱)が発生し、多段で大きく昇圧する場合は、段と段の間で空気を冷やす中間冷却が重要になります。
発生した熱を適切に処理することが、安定した能力の維持と機械の保護の両面で欠かせません。
高圧を扱う機械だからこそ、冷却の仕組みは選定時にも意識しておきたいポイントです。
入口圧・出口圧・風量の目安(数値レンジで理解する)
ブースターコンプレッサーを理解するうえで、入口圧・出口圧・風量という三つの数値を押さえておくと、カタログを見たときの理解がぐっと深まります。
ここでは、日本の一般的な機種を念頭に、おおよそのレンジで整理します。
まず入口圧(元圧、吸込圧)は、おおむね0.1〜1.0MPaの範囲が一般的です。機種によって対応する入口圧は異なり、たとえば低い元圧から昇圧できるタイプもあれば、ある程度高い元圧を前提とするタイプもあります。
次に出口圧(吐出圧)は、日本の汎用機ではおおよそ1.0〜3.0MPaあたりが中心的なレンジです。
レーザー加工などの高圧用途や海外メーカーの高圧機ではこれを超える機種も存在しますが、まずはこの範囲をひとつの目安にすると、見当がつけやすくなります。
単位についても簡単に触れておきます。圧力は通常MPa(ゲージ圧)で表され、1MPaはおよそ10bar、約10.2kgf/cm²に相当します。
風量は吐出空気量として、L/minやm³/minで示されますが、これは大気圧に換算した空気の量を表しています。
元圧側のコンプレッサーがどれだけの吐出空気量を供給できるかと、ブースターが必要とする入口側の空気量が見合っているかどうかは、選定で見落としやすいところです。
なお、ここで挙げた数値はあくまで一般的な範囲であり、実際のスペックは機種ごとに大きく異なります。
具体的な選定では、固有の数値を思い込みで判断せず、必ずカタログやメーカーの仕様で確認することが大切です。
増圧弁(エアブースタ)とブースターコンプレッサーの違い
ブースターを検討するうえで、最も誤解されやすいのが「増圧弁(エアブースタ、ブースタレギュレータ)」との違いです。
名前も役割も似ているため混同されがちですが、両者はまったく別の機械であり、ここを正しく理解しておくことが選定の成否を分けます。
増圧弁は、一次側の圧縮空気そのものを駆動源にして往復動作し、圧力を高める機器です。
電源を必要とせず手軽に使える一方で、駆動に使った空気をそのまま排気してしまうという特徴があります。
たとえば圧縮比2で使う場合、出口で得られる空気と同じくらいの量を入口側で消費して排気することになり、圧縮空気のロスが大きくなりがちです。
増圧比はおおむね一次圧の2〜4倍程度が目安とされます。手軽さが魅力ですが、エアを浪費しやすい点は理解しておく必要があります。
これに対してブースターコンプレッサーは、電動機(モーター)で駆動します。駆動のために圧縮空気を消費しないため、入口に供給した空気を無駄なく昇圧でき、結果として省エネにつながります。
これがブースターコンプレッサーの大きな強みです。手元で少量の高圧が欲しいだけなら増圧弁が向く場面もありますが、ある程度まとまった風量を継続的に使うなら、ランニングコストの面からブースターコンプレッサーが有利になりやすい、という整理をしておくとよいでしょう。
電源は機種によって単相100Vの小容量機から三相200Vの本格的な機種までさまざまで、設置する場所の電源環境とあわせて確認しておきたいところです。
主な用途①:PETボトルのブロー成形(高圧エアの代表例)
ブースターコンプレッサーが活躍する代表的な現場のひとつが、ペットボトルの製造です。
ペットボトルは、プリフォームと呼ばれる小さな試験管状の樹脂を、高い圧力の空気で一気にふくらませて成形します。
この延伸ブロー成形には、約4MPa(およそ40bar)級という、一般的な工場エアよりもかなり高い圧力が求められます。
工場のライン圧力だけではこの高圧をまかなえないため、必要な箇所の手前でブースターによって圧力を補う、という構図になります。
ライン全体は通常の圧力で運用しつつ、成形機の前で高圧化することで、効率よく必要な空気をつくり出すわけです。
これはまさに、前述した局所昇圧の考え方が活きる典型例と言えます。
ここで注意したいのは、日本の汎用ブースターは出口圧が3.0MPa前後までの機種が多い点です。
PET成形で求められる4MPa前後の最終的な高圧は、専用の高圧機や多段の構成によって得られるのが一般的で、汎用機をそのまま使えば必ず4MPaが出る、というわけではありません。
高圧用途を検討する際は、こうした圧力の段取りを正しく押さえることが欠かせません。
高圧コンプレッサーの考え方については、高圧コンプレッサーの解説記事もあわせてご覧いただくと、全体像がつかみやすくなります。
主な用途②:気密(リーク)試験・高圧エア工具
製品の品質を保証するうえで欠かせないのが、気密(リーク)試験です。容器や配管、製品の内部に空気を入れて圧力を加え、漏れがないかを確認する検査ですが、用途によっては実際の使用圧力よりも高い試験圧をかける必要があります。
このとき、通常のライン圧では足りない試験圧を、ブースターで昇圧して用意することがよくあります。
確実な検査を行うために、安定した高圧エアが求められる場面です。
また、各種の高圧エア工具への供給にも、ブースターコンプレッサーが使われます。一般的な工具より高い圧力で動作する機器に対して、必要な圧力をピンポイントで供給できるのは、局所昇圧ならではの利点です。
実際の運用イメージとしては、たとえばライン全体を0.5〜0.7MPa程度に保ちつつ、高圧が必要な機器の手前でブースターによって1.0〜3.0MPaへと増圧する、というパターンが挙げられます。
工場全体の圧力を底上げすることなく、必要な工程だけを高圧化できるため、エネルギーの無駄を抑えながら品質要求にも応えられます。
こうした柔軟さが、ブースターが現場で支持される理由のひとつです。
主な用途③:窒素・ガスの昇圧、レーザー切断アシストガス
ブースターコンプレッサーは、空気だけでなく窒素などのガスを昇圧する用途にも使われます。
たとえば、既設の設備でつくった窒素を1.6MPa程度まで昇圧して供給する、といった使い方です。
ガスに対応した機種を選べば、空気以外の媒体でも局所昇圧の考え方を応用できます。ただし、扱う媒体によっては材質やシールの仕様が変わるため、ガス用途では必ず対応機種かどうかを確認しておきましょう。
特に近年注目されているのが、レーザー切断におけるアシストガスの昇圧です。レーザー加工では、切断部に高圧のガスを吹き付けることで溶けた金属を吹き飛ばし、切り口をきれいに仕上げます。
このアシストガスには、加工条件によって3MPa以上の高い圧力が必要になる場合があり、ここでブースターが力を発揮します。
さらに、窒素を高純度で供給し、それを高圧まで昇圧して切断に用いることで、酸化を抑えた美しい切断面を得られます。
加工品質に直結する重要な工程であり、安定した高圧・高純度のガス供給が求められます。
空気もガスも、必要な圧力まで効率よく押し上げられる点が、ブースターコンプレッサーの応用範囲の広さを物語っています。
省エネ効果はどれくらい?導入メリットの考え方
ブースターコンプレッサーの最大の魅力は省エネですが、具体的にどのような形で効果が出るのか、考え方を整理してみましょう。
ポイントは繰り返しになりますが、「工場全体を高圧運転しない」ことにあります。一部の機械のためにライン全体の圧力を上げてしまうと、すべての機器が高い圧力で運転され、その分だけ余計な電力を消費し続けることになります。
これに対して、高圧が必要な箇所の手前にだけブースターを置けば、増圧にかかるエネルギーを必要な分だけに絞り込めます。
公的機関や各メーカーの試算でも、局所昇圧に切り替えることで年間の消費電力を抑えられ、機種や条件によっては導入コストを数年程度で回収できる可能性があるとされています。
また、エアで駆動する増圧弁から電動のブースターへ置き換えた場合、駆動分の圧縮空気を消費しなくなるため、エネルギーをまとまった割合で削減できたという報告も見られます。
電気代の削減はもちろん、CO₂排出量の低減や、配管末端での圧力降下を防いで安定した供給を保てるといった効果も期待できます。
実際の削減幅は元圧や昇圧条件、稼働時間によって大きく変わるため、自社の使用状況をもとに試算してもらうのが確実です。
それでも、必要な箇所だけを昇圧するという発想が、エネルギー面で理にかなっていることは間違いありません。
失敗しない選定の3要素:入口圧・出口圧・必要風量
ブースターコンプレッサーの選定で外してはいけないのが、入口圧・出口圧・必要風量という三つの要素です。
この三点を明確にできれば、選定の大きな失敗はかなり防げます。確認したい項目を、あらためて整理しておきます。
- 入口圧(元圧):一次側のコンプレッサーが、どれくらいの圧力と量の空気を供給できるか
- 出口圧(必要圧力):使用する機器が求める圧力に対し、余裕を持って供給できるか
- 必要風量(吐出空気量):ピーク時にどれだけの空気量が要るか、不足が起きないか
ここで特に強調しておきたいのが、元圧が不足したり不安定だったりすると、ブースターは本来の能力を発揮できないという点です。
ブースターは元圧を前提に成り立つ機械ですから、一次側のコンプレッサーの吐出量とのバランスが取れていなければ、出口圧も風量も思うように出ません。
元になる圧縮空気をつくる一次側の機械については、スクリューコンプレッサーの解説も参考になります。
安定した元圧があってこそ、ブースターの性能が活きてくるという順序を、忘れないようにしたいところです。
あわせて、オイルフリー(無給油式)か給油式(オイル式)かの選択も重要です。空気の清浄度が問われる用途ではオイルフリー、コストや耐久性を重視する場面では給油式、というように、求められる品質に応じて選び分けます。
設置環境についても、放熱や吸気、保守スペースを確保できるかを事前に見ておくと安心です。
これらを総合的に整理してから機種を絞り込むと、後悔のない選定につながります。
安全と法令:圧力容器・安全弁・定期点検の基礎知識
高い圧力を扱うブースターコンプレッサーでは、安全と法令への配慮が欠かせません。難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえておけば、過度に身構える必要はありません。
まず高圧ガス保安法との関係です。空気の圧縮装置については、温度35℃で圧力5MPa以下であれば、高圧ガス保安法の適用が除外されるという扱いがあります。
汎用のブースターの多くはこの範囲に収まりますが、適用除外だからといって何もしなくてよいわけではありません。
自主的な点検や、第二種圧力容器明細書の保管などは、引き続き必要になります。
次に圧力容器に関する規則です。タンクなどの圧力容器は、「ボイラー及び圧力容器安全規則」の対象になり得ます。
第二種圧力容器に該当する場合は、使用開始後1年以内ごとに1回、定期自主検査を行う必要があります。
本体の損傷やふた締付ボルトの摩耗、管や弁の損傷などを点検し、その結果は記録して3年間保存することが求められます。
さらに安全弁は、最高使用圧力以下で作動するよう調整しておくことが基本です。安全弁が2個以上ある場合は、少なくとも1個を最高使用圧力以下で作動させ、他は最高使用圧力の3%増以下まで認められます。
高圧を扱うからこそ、冷却による圧縮熱の処理や定格圧の遵守とあわせて、これらの安全管理を確実に行っておきたいところです。
最終的な法令の適用範囲や手続きは、設置する地域や条件によっても変わるため、不明な点は所管の窓口やメーカーに確認しておくと安心です。
主要メーカーと製品タイプの選び方の指針
国内では、ブースターコンプレッサーを扱うメーカーが複数あります。代表的なところでは、日立産機システム、コベルコ・コンプレッサ、アネスト岩田、北越工業(AIRMAN)、三井精機工業、明治機械製作所などが挙げられ、海外メーカーではアトラスコプコなどが知られています。
それぞれ得意とする圧力帯や用途に特色があり、ラインアップも幅広くそろっています。
製品タイプを選ぶ際の方向性として、いくつかの軸があります。空気の清浄度を重視するならオイルフリー、コストや堅牢性を求めるなら給油式、という選び分けはすでに触れたとおりです。
また、設置のしやすさという観点では、タンクの上に本体を載せたタンクマウント型と、必要な機器をまとめたパッケージ型があり、設置環境やスペースに応じて選びます。
さらに、既存の増圧弁からの置き換えを前提にしたモデルも用意されており、省エネを目的に切り替えるなら、こうした製品が選択肢になります。
いずれの場合も、本記事で挙げた数値や区分は、あくまで一般的な目安です。実際の機種ごとの細かいスペックは、必ず各メーカーのカタログや仕様書で確認してください。
用途・元圧・必要圧力・風量を整理したうえで、複数のメーカーや機種を比較検討すると、自社の条件に合った一台にたどり着きやすくなります。
判断に迷うときは、元圧側のコンプレッサーも含めた全体のエア設備を見渡せる業者に相談するのが、遠回りのようでいて確実です。
よくある質問(FAQ)
ここまでの内容を踏まえて、ブースターコンプレッサーについて寄せられやすい疑問を、Q&A形式で整理しておきます。
ブースターコンプレッサーだけで使えますか?
いいえ、ブースター単体では使えません。すでに圧縮された空気(元圧)を昇圧する機械なので、一次側のコンプレッサーから供給される圧縮空気が必須です。
元圧の圧力や量が不足すると、本来の能力が出ない点に注意してください。
増圧弁とは何が違うのですか?
増圧弁(エアブースタ)は圧縮空気そのものを駆動源にして昇圧するため、駆動分のエアを消費します。
一方、ブースターコンプレッサーは電動機で駆動するので駆動エアを消費せず、省エネに優れます。
まとまった風量を継続的に使うなら、ブースターコンプレッサーが有利になりやすいです。
PET成形に必要な4MPaは出せますか?
PETボトルのブロー成形には約4MPa(40bar)級の高圧が求められますが、日本の汎用ブースターは3.0MPa前後までの機種が多く、4MPa前後の高圧は専用の高圧機や多段構成で得るのが一般的です。
汎用機ですべてまかなえるとは限らないため、必要圧力に応じた機種選定が欠かせません。
どんな法令が関係しますか?
空気の圧縮装置は、35℃で5MPa以下なら高圧ガス保安法は適用除外ですが、自主点検や第二種圧力容器明細書の保管は必要です。
圧力容器は「ボイラー及び圧力容器安全規則」の対象になり得て、第二種圧力容器なら1年以内ごとの定期自主検査と、記録の3年保存が求められます。
まとめ
ブースターコンプレッサー(増圧機)とは、すでにある圧縮空気(元圧)を、さらに高い圧力まで昇圧する圧縮機です。
大気から圧縮する通常のコンプレッサーとは異なり、元圧があることが大前提という点が最大の特徴であり、ここを押さえておくことが、すべての出発点になります。
この記事を通してお伝えしたかった中心的なメリットは、工場全体を高圧運転する代わりに、高圧が必要な箇所の手前だけを局所的に昇圧する、という合理的な考え方です。
吐出圧を下げるほど省エネになるという性質を踏まえれば、必要な場所だけをピンポイントで高圧化するブースターコンプレッサーが、いかにエネルギーの無駄を抑えられるかがわかります。
電動駆動で駆動エアを消費しないため、増圧弁と比べても省エネ性に優れ、条件によっては数年での投資回収が見込める例もあります。
用途は、PETボトルのブロー成形をはじめ、気密(リーク)試験、高圧エア工具、窒素・ガスの昇圧、レーザー切断のアシストガスなど多岐にわたります。
いずれの場合も、選定のカギは入口圧(元圧)・出口圧(必要圧力)・必要風量という三つの要素を明確にすることです。
とりわけ、一次側のコンプレッサーの能力とのバランスが取れていなければ本来の性能は発揮されないため、元圧を含めた全体設計の視点が欠かせません。
あわせて、オイルフリーか給油式か、電源は単相か三相かといった条件も、設置環境に合わせて整理しておきましょう。
高圧を扱う機械だからこそ、圧力容器の定期自主検査や安全弁の調整、冷却といった安全・法令面への配慮も忘れないようにしたいところです。
自社のどの工程に、どれだけの圧力と風量が必要なのかを整理したうえで、最適な一台を選んでいきましょう。
ブースターコンプレッサーの導入や機種選定でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
日常のメンテナンスで緊急なトラブルを未然に防ぐことが大切
日々の業務でコンプレッサーを長く安定して使い続けるためには、定期的な点検や日常的なメンテナンスが非常に重要です。
小さな異変や汚れの蓄積は大きな故障や生産停止につながるリスクを高めてしまいます。
コンプレッサーの性能を維持し、トラブルを未然に防ぐには、基本的な管理ルールの徹底や、異音・振動・圧力変動といった初期兆候への早めの対応が欠かせません。日常的なケアを習慣化することで、設備の寿命を延ばし、余計なコストの発生も抑えることができます。
羽田コンプレッサーでは、多くの現場で培ったノウハウをもとに、コンプレッサーの点検・保守・修理のご相談を承っています。
定期保全のプランニングから緊急対応まで、お客様の設備の安定稼働を全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
