1978年創業 コンプレッサー専門
コンプレッサーの修理・点検・販売
設置工事は"羽コン"にお任せください。

お問い合わせはこちら
お問い合わせ キャンペーンECサイト

columnコラム

コンプレッサーにおける高圧と圧力の基礎知識!仕組み・用途・選び方を徹底解説

工場や建設現場、整備工場など、あらゆる産業で欠かせない存在となっているのが「コンプレッサー(圧縮機)」です。エアツールや塗装機器の動力源として活躍するだけでなく、製造ラインや機械の制御、エネルギー供給など幅広い分野で使用されています。

中でも「高圧コンプレッサー」は、一般的な空気圧縮機よりも高い圧力で空気を供給できるタイプであり、その用途や安全性、メンテナンス性を理解しておくことが重要です。この記事では、コンプレッサーの圧力に関する基礎から、高圧コンプレッサーの仕組み、特徴、使用時の注意点、さらに選び方のポイントまでを詳しく解説します。

コンプレッサーとは何か

コンプレッサーとは、空気やガスなどを吸い込み、高圧に圧縮して送り出す機械のことです。圧縮された空気は「圧縮空気」と呼ばれ、エアツールの駆動や清掃、塗装、空気供給などに使用されます。

圧力の単位は「MPa(メガパスカル)」で表され、0.7MPa前後の空気を供給する一般的なタイプが多い一方で、より高圧の空気を扱う特殊用途向けに「高圧コンプレッサー」が存在します。

圧力の基本と種類

コンプレッサーで扱う「圧力」には、いくつかの種類があります。

吐出圧力:コンプレッサーが空気を圧縮して送り出す時の圧力。機種の性能を示す最も重要な数値です。
吸入圧力:大気から空気を吸い込む時の圧力。通常は大気圧(約0.1MPa)です。
最高使用圧力:そのコンプレッサーが安全に使用できる上限の圧力。超えると機器や配管に負荷がかかり、破損や事故の原因になります。

これらの圧力を正しく理解し、用途に応じた機種を選定することが、安全で効率的な運用の基本となります。

一般圧と高圧の違い

コンプレッサーは圧力によって大きく次の2種類に分類されます。

一般圧コンプレッサー:吐出圧力が0.7〜0.9MPa程度。工場や整備工場など、一般的なエアツールや塗装機器に適しています。
高圧コンプレッサー:吐出圧力が1.6〜2.5MPa以上。建設現場や特殊機械、インフラ設備、エネルギー関連など高出力を必要とする場面で使用されます。

高圧コンプレッサーは、同じ空気量でもより高いエネルギーを持つため、より強力なエア供給が可能です。その一方で、設備コストや安全対策、メンテナンスの重要性が増します。

高圧コンプレッサーの仕組み

高圧コンプレッサーは、一般的なコンプレッサーよりも多段式の圧縮機構を備えています。吸い込んだ空気を一度で圧縮するのではなく、複数の段階で段階的に圧縮することで、効率よく高圧を得ることができます。

主な構造は以下の通りです。

  1. 吸入段:外気を吸い込み、一次圧縮を行う。

  2. 中間冷却段:圧縮により発生した熱を冷却し、空気密度を高める。

  3. 二次・三次圧縮段:段階的に圧力を上げ、最終的に所定の高圧に到達させる。

  4. 吐出段:高圧空気をタンクや配管へ供給。

こうした多段圧縮方式により、効率的かつ安定した高圧空気を得ることが可能になります。

高圧コンプレッサーの用途

高圧コンプレッサーは、以下のような場面で多く利用されています。

建設現場:エア工具(ピンタッカー、インパクトドライバーなど)やコンクリートブレーカーの駆動源として。
自動車整備工場:タイヤ交換、エアジャッキ、塗装用スプレーガンなど。
産業機械分野:空圧制御、搬送システム、加圧試験。
プラント設備:高圧エア供給、バルブ作動、配管清掃。
潜水・消防用途:ボンベへの空気充填。

特に建築業界では「高圧対応エアツール」の普及により、軽量かつ強力な作業が可能となり、高圧コンプレッサーの需要が年々高まっています。

高圧コンプレッサーを使用するメリット

高圧コンプレッサーを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。

第一に、強力な出力が得られる点です。高圧エアツールは低圧タイプよりもトルクが高く、硬い素材の施工や長時間作業でも安定したパフォーマンスを維持します。

第二に、省スペース化が可能です。高圧で空気を圧縮できるため、同じ作業をより少ないエア量で行えることから、配管やエアタンクの小型化につながります。

第三に、エネルギー効率の向上です。最新機種ではインバーター制御を搭載し、必要な圧力だけを発生させる省エネ運転が可能です。

高圧コンプレッサーの注意点とリスク

高圧を扱うため、取り扱いには十分な注意が必要です。

過剰圧力による配管破損やエア漏れは、重大な事故につながる恐れがあります。圧力調整弁や安全弁を適切に設定し、定期的な点検を行うことが重要です。

また、高圧エアの吐出による騒音や振動も課題となります。防音カバーや防振装置を設け、周囲への影響を最小限に抑える配慮が求められます。

さらに、高圧空気は温度上昇を伴うため、熱による劣化や焼き付き防止のために、冷却機構や潤滑油管理を徹底する必要があります。

高圧コンプレッサーの選び方

高圧コンプレッサーを選定する際は、使用環境や必要圧力、空気量を総合的に判断することが大切です。

まず、用途に応じた圧力帯を確認します。一般的な建設工具では1.6〜2.5MPa、産業用ではさらに高圧が必要なケースもあります。

次に、必要な吐出空気量を計算します。エアツールの消費量がコンプレッサーの供給能力を上回ると、圧力が低下して作業効率が落ちます。

また、稼働時間や設置環境も考慮すべきです。長時間稼働させる現場では、耐久性とメンテナンス性を重視し、防塵・防湿性能の高い機種を選ぶと安心です。

メンテナンスと管理の重要性

高圧コンプレッサーの性能を長く維持するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。フィルターの清掃、オイル交換、ベルトやシールの点検を怠ると、圧力低下や異常音、故障の原因となります。

また、タンク内に水分が溜まると錆や腐食の原因になるため、ドレン排出をこまめに行うことも大切です。

近年では、運転データをモニタリングできるIoT対応モデルも増えており、圧力や温度を遠隔監視することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ:高圧コンプレッサーは安全と性能のバランスが鍵

高圧コンプレッサーは、一般的な圧縮機よりも強力なエア供給を実現し、産業や建設の現場で欠かせない存在です。圧力や吐出量の管理を適切に行うことで、効率的で安全な運用が可能になります。

ただし、高圧を扱う以上、安全対策と定期点検は必須です。用途に適した圧力帯と仕様を選び、メンテナンスを徹底することで、長期間にわたり安定した性能を発揮します。

高圧と圧力の仕組みを正しく理解し、最適なコンプレッサーを選定することが、生産性向上とコスト削減の両立につながるのです。

記事をシェア

news お知らせ