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日立製コンプレッサー 型式:POD-5.5MNB5

エア工具に合うコンプレッサーの選び方|工具別の必要空気量と失敗しない選定手順

エアインパクトレンチやエアダスター、塗装用のスプレーガンなど、現場で使うエア工具をそろえたものの、「どのくらいの大きさのコンプレッサーを用意すればよいのか分からない」とお悩みではないでしょうか。
馬力やkWの数字だけを見て選んでしまい、いざ使い始めたら工具の力が出ない、すぐに空気が足りなくなる、といった失敗は決して珍しくありません。

結論からお伝えすると、エア工具を快適に使えるかどうかを決めるのは馬力やkWではなく、コンプレッサーが送り出せる空気の量、つまり吐出空気量(L/min)と、工具側が必要とする空気量の関係です。
使う工具がどれだけの空気を消費するのかを把握し、それに対して余裕のある能力のコンプレッサーを選ぶことが、失敗しない選定の出発点になります。

この記事では、エア工具とコンプレッサーの関係をあらためて整理したうえで、エアインパクト・ラチェット・ダスター・釘打ち・サンダー・塗装・サンドブラストといった工具別の必要空気量の目安、吐出量やタンク容量・圧力・馬力の見方、同時使用や連続運転をどう考えるか、そして失敗しない選定手順までを順を追って解説します。
専門用語もそのつど噛み砕いて説明しますので、はじめての方でも読み終えるころには、自分の現場に合った一台を見分けられるようになります。

エア工具に合うコンプレッサーはどう選べばよいのか

エア工具用のコンプレッサーを選ぶとき、多くの方がまず「何馬力のものを買えばよいか」と考えます。
たしかに馬力は機種選びの目安にはなりますが、それだけを基準にすると失敗しやすいというのが、私たちが現場で何度も見てきた事実です。
同じ馬力のコンプレッサーでも、送り出せる空気の量や圧力、空気をためておくタンクの大きさは機種ごとに差があり、使い勝手は大きく変わります。

エア工具は、コンプレッサーが作り出した圧縮空気を動力源にして動く道具です。ですから、工具が必要とするだけの空気を、必要なときに途切れずに供給できるかどうかがすべてです。
これを判断するための一番大事な数字が吐出空気量で、単位はL/min(1分間に何リットルの空気を送れるか)で表します。
工具側にも「必要空気量」という仕様があり、この二つを突き合わせて、コンプレッサーのほうが十分に上回っていれば安心して使えます。

選び方の大きな流れとしては、まず使う工具と作業内容をはっきりさせ、各工具の必要空気量と使用圧力を調べ、同時に使うかどうかを考え、そのうえで余裕を持った能力のコンプレッサーを選ぶ、という順序になります。
この記事ではこの流れに沿って、一つひとつのポイントを具体的に説明していきます。難しく感じるかもしれませんが、押さえるべき数字はそれほど多くありません。
順番に確認していけば、初めての方でも見当をつけられるようになります。

そもそもエア工具とコンプレッサーの関係を整理する

エア工具とは、圧縮した空気の力で動く工具の総称です。電動工具がモーターで動くのに対し、エア工具はコンプレッサーから送られてくる圧縮空気を動力に変えて動きます。
代表的なものに、ボルトやナットを締め付けるエアインパクトレンチ、細かい締緩に使うエアラチェット、ゴミや切粉を吹き飛ばすエアダスター、木材などを留める釘打ち機(ネイラ)、研磨に使うエアサンダー、塗装用のスプレーガン、表面処理に使うサンドブラストなどがあります。

これらの工具は、モーターを内蔵していないぶん本体が軽く、連続して使っても工具自体が発熱しにくいという利点があります。
また、同じ空気源から複数の工具を切り替えて使えるため、現場での取り回しがよいのも特長です。
一方で、空気を供給してくれるコンプレッサーがなければ動きません。つまり、エア工具を使う現場では「工具」と「コンプレッサー」はワンセットで考える必要があるのです。
どんなに高性能なエア工具をそろえても、空気を送り出すコンプレッサーの能力が足りなければ、工具は本来の力を発揮できません。

逆に言えば、コンプレッサー選びさえ間違えなければ、後から工具を買い足したり入れ替えたりしても柔軟に対応できます。
最初の一台をどう選ぶかが、その後の作業効率を長く左右するのです。エア工具に関連した話題として、エア工具用コンプレッサーの記事もご用意していますので、あわせてご覧ください。

圧縮空気はどのように作られるのか

コンプレッサーは、モーターやエンジンで空気を吸い込んで圧縮し、タンクにためていきます。
タンク内の圧力が設定値まで上がると運転を止め、工具を使って圧力が下がると再び運転を始める、という動作を繰り返します。
工具を使うと空気が消費され、タンク内の圧力は下がっていきます。コンプレッサーが空気を作り出す速さ(吐出空気量)が、工具が消費する速さ(必要空気量)に追いつかないと、圧力がどんどん下がり、工具の力が落ちてしまいます。

この「作る速さ」と「使う速さ」のバランスこそが、エア工具を快適に使えるかどうかの分かれ目です。
水道にたとえると、蛇口から出る水の量が吐出空気量、使い手が出しっぱなしにする水の量が必要空気量にあたります。
蛇口の出が細いのに大量に使えば、すぐに足りなくなるのと同じです。次の章から、その中心となる吐出空気量について詳しく見ていきます。

エア工具選びでいちばん大事なのは吐出空気量

あらためて強調したいのは、エア工具に合うコンプレッサーを選ぶうえで最も重要な指標は吐出空気量だということです。
吐出空気量とは、コンプレッサーが1分間に送り出せる空気の量で、L/minという単位で表されます。
この数字が大きいほど、たくさんの空気を必要とする工具や、連続して使う作業に対応できます。

たとえば、ある工具が1分間に200L/minの空気を必要とするとします。このとき、コンプレッサーの吐出空気量が200L/minちょうどでは余裕がなく、連続して使うとすぐに圧力が足りなくなります。
少なくとも工具の必要量を上回り、できれば余裕を持った吐出量のコンプレッサーを選ぶ必要があります。
能力が足りないと、作業中に圧力が下がるたびにコンプレッサーが追い込み運転を続けることになり、工具の動きが鈍くなるだけでなく、機械への負担も大きくなります。

必要量に対して1割以上の余裕を持たせる

選定の基本として、コンプレッサーの能力は工具が要求する空気量に対して1割以上の余裕を持たせることをおすすめします。
これは、配管やホースでの圧力損失、工具の摩耗による消費量の増加、夏場の高温時に能力がわずかに落ちることなどを見込んだうえで、安定して使い続けるためです。
ぎりぎりの能力で選ぶと、新品のうちは問題なくても、しばらく使ううちに力不足を感じやすくなります。
将来的に工具を買い足す予定があるなら、その分も見越して、もう一段余裕のある能力を選んでおくと安心です。

注意したいのは、カタログに書かれている吐出空気量には「ピストン押しのけ量(理論吐出量)」と「実際に取り出せる空気量」とがあり、機種によって表記が異なる場合があることです。
理論上の数字は実際に使える空気量より大きく見えるため、表記の違いに気づかずに比較すると、思ったより能力が足りないということが起こり得ます。
比較するときは同じ基準の数字どうしで見比べることが大切です。判断に迷うときは、私たち羽田コンプレッサーのような専門業者に、使う工具と作業内容を伝えてご相談いただくのが確実です。

工具別に見る必要空気量の目安

ここでは、代表的なエア工具がどのくらいの空気を必要とするのか、傾向を整理します。
ただし、必要空気量はメーカーや機種によって幅がありますので、あくまで目安として捉え、実際には必ずお使いになる工具の仕様書で必要空気量と使用圧力を確認してください。
同じ「エアインパクト」でも、サイズや用途が違えば消費する空気量はまったく異なります。

エアインパクトレンチ・エアラチェット

ボルトやナットを締め付けるエアインパクトレンチや、手で回しにくい箇所に使うエアラチェットは、瞬間的に空気を使いますが、ひと締めごとに止めて使うため、連続して大量の空気を消費するわけではありません。
短時間で断続的に空気を使うタイプなので、比較的小さめのコンプレッサーでも対応できることが多い工具です。
自動車整備や軽作業であれば、小型から中型の機種でまかなえるケースが少なくありません。
ただし、大型のインパクトレンチや大きなトルクを必要とする作業では消費量も増えますので、使う工具の大きさに合わせて見積もってください。

エアダスター・エアサンダー

エアダスターは空気を吹き付けてゴミや切粉を飛ばす道具で、引き金を引いているあいだ空気を出し続けます。
エアサンダーやエアグラインダーも、研磨しているあいだ連続して回り続けます。これらは連続して大量の空気を消費するため、見た目の小ささに反して必要空気量が大きくなりやすい工具です。
とくにエアサンダーは消費量が多く、想定より大きな吐出量のコンプレッサーが必要になることがよくあります。
「小さな工具だから小さなコンプレッサーで足りるだろう」と考えると、いざ使い始めてから能力不足に気づくことになりますので注意してください。

釘打ち機(ネイラ・タッカー)

木材などを留める釘打ち機や、薄い材料を留めるタッカーは、引き金を引いた瞬間に空気を一気に使い、すぐに止まります。
瞬間的な消費が中心なので、ためた空気をしっかり使えるよう適切なタンク容量があれば、小型のコンプレッサーでも対応しやすい工具です。
ただし、複数人で同時に打ち続けるような現場では、合計の消費量が増えるため余裕のある機種が必要になります。
建築現場のように何台もの釘打ち機が同時に動く場面では、一台あたりの感覚で選ぶと足りなくなります。

塗装用スプレーガン

スプレーガンを使った塗装は、引き金を引いているあいだ安定した空気を出し続ける作業です。
塗りムラを防ぐには圧力が一定であることが重要で、空気が途切れると仕上がりに影響します。
安定した空気を長時間使うため、吐出量に余裕のある中型以上のコンプレッサーが向いています。
広い面を連続して塗る場合はとくに、能力に余裕を持たせてください。また塗装では、空気に含まれる水分やオイル分が塗膜の不良につながるため、後述するエアドライヤーやフィルターの併用もあわせて考えておく必要があります。

サンドブラスト

サンドブラストは、研磨材を空気の力で吹き付けて表面を削ったり錆を落としたりする作業で、エア工具のなかでもとくに大量の空気を連続して消費する用途です。
中途半端な能力のコンプレッサーでは作業がはかどらず、圧力もすぐに落ちてしまいます。
サンドブラストを本格的に行うなら、吐出量に十分な余裕のある中型以上、用途によってはスクリュー式のような連続運転に強い機種を検討する価値があります。
短時間の軽い作業であれば小型機でもこなせますが、面積が広い作業や一日中行う作業では、能力に大きな余裕が求められます。

圧力(MPa)はどのくらい必要か

空気量と並んで確認したいのが、圧力です。圧力はMPa(メガパスカル)という単位で表し、空気をどれだけ強く押し出せるかを示します。
エア工具には、それぞれ「使用圧力」という設計上の適正な圧力があり、これに合わせて使うことで本来の性能が発揮されます。
空気量が「どれだけの量を送れるか」を表すのに対し、圧力は「どれだけ強く送れるか」を表すと考えると分かりやすいでしょう。

一般的なエア工具の多くは、0.6〜0.7MPa前後の圧力で使う設計になっています。
ですから、家庭用や小型のコンプレッサーであっても、この圧力を安定して供給できれば多くの工具は動かせます。
圧力が足りないと、インパクトレンチの締め付けが弱くなったり、塗装の霧が粗くなったりと、工具の性能が出し切れません。
なお、コンプレッサーから工具まで空気を送る途中で、ホースや配管の抵抗によって圧力はいくらか下がります。
これを圧力損失といい、ホースが長かったり細かったりするほど大きくなります。工具の手元で必要な圧力を確保するためにも、コンプレッサー側にはある程度の余裕を持たせておくとよいでしょう。

高圧仕様の工具は別系統で考える

注意が必要なのは、釘打ち機などにある「高圧」と「常圧」の区別です。常圧工具は前述の0.6〜0.7MPa前後で使いますが、高圧工具はそれより高い圧力で動く設計になっており、専用の高圧コンプレッサーや高圧用の配管が必要です。
高圧仕様の工具は別系統で考える必要があり、常圧用のコンプレッサーにそのままつなぐことはできません。
誤って接続すると工具が正しく動かないだけでなく、機器を傷める原因にもなります。常圧と高圧の違いについては常圧コンプレッサーの解説記事高圧小型コンプレッサーの記事もあわせてご覧いただくと、選び分けがしやすくなります。

タンク容量がエア工具の使い勝手を左右する理由

コンプレッサーには、作った圧縮空気をためておくタンクが付いています。このタンクの容量(リットルで表します)も、エア工具の使い勝手を大きく左右する要素です。
タンクは、いわば空気の貯金箱のようなもので、工具を使う瞬間にはタンクにためた空気を一気に取り出し、使っていないあいだに補充するという役割を果たします。

タンク容量が大きいほど、空気を多くためておけるため、釘打ち機のように瞬間的に空気を使う断続的な工具では、引き金を引いたときの圧力低下が起きにくくなります。
さらに、タンクに余裕があると、コンプレッサーのモーターが頻繁に起動・停止を繰り返さずに済むので、機械への負担が減り、長持ちにもつながります。
起動と停止が短い間隔で繰り返されると、モーターやスイッチに負担がかかり、寿命を縮める一因になります。

断続使用ならタンク、連続使用なら吐出量

ここで覚えておきたいのは、タンク容量と吐出空気量は役割が違うということです。タンク容量は「瞬間的にどれだけ空気を出せるか」に効き、吐出空気量は「連続してどれだけ空気を作り続けられるか」に効きます。
釘打ちのような断続使用ではタンク容量が効いてきますが、エアサンダーやサンドブラストのように連続して空気を使う作業では、いくらタンクが大きくてもためた分を使い切ってしまえば、最後は吐出空気量がものを言います。
連続使用が多い現場ほど、吐出量を重視して選んでください。タンク容量はあくまで一時的な余力であり、長時間の作業を支えるのは吐出空気量だと理解しておくと、選定で迷いにくくなります。

馬力やkWだけでコンプレッサーを選んではいけない

冒頭からお伝えしているとおり、馬力やkWだけでコンプレッサーを選ぶのは禁物です。
馬力(ばりき)とkW(キロワット)は、どちらもコンプレッサーを動かすモーターの出力を表す目安で、おおまかな大きさの指標にはなります。
しかし、同じ馬力でも吐出空気量やタンク容量、圧縮方式が違えば、実際に出せる空気の量は変わってきます。
馬力はあくまでモーターの大きさであって、空気をどれだけ送れるかを直接示す数字ではないことに注意してください。

馬力とkWの換算の目安

馬力とkWの関係をモーター出力で見ると、おおむね1馬力が0.75kW相当です。具体的には、2馬力でおよそ1.5kW、3馬力でおよそ2.2kW、5馬力でおよそ3.7kW、7.5馬力でおよそ5.5kW、10馬力でおよそ7.5kWといった対応になります。
さらに大きな機種では、15馬力でおよそ11kW、20馬力でおよそ15kW、25馬力でおよそ18.5kW、30馬力でおよそ22kWが目安です。
カタログで馬力表記とkW表記が混在していても、この目安を知っておけば同じ土俵で比較できます。

とはいえ、これはあくまで出力の目安です。最終的には吐出空気量で判断するのが正解です。
馬力の数字は機種をしぼり込む入口として使い、必ず吐出空気量と突き合わせて選ぶようにしてください。
馬力ごとの具体的な能力やおすすめの使い方については、2馬力コンプレッサーの記事3馬力コンプレッサーの記事10馬力コンプレッサーの記事などをご用意していますので、検討中の馬力帯にあわせてご参照ください。
馬力全体の考え方は馬力の総合解説記事にまとめています。

同時使用と連続使用を必ず想定して選ぶ

選定でつまずきやすいのが、複数の工具を同時に使う場合の見積もりです。一人で一つの工具を使うときと、複数人がそれぞれ別の工具を同時に使うときとでは、必要な空気量がまったく違ってきます。
導入時には一人で使うつもりでも、現場が忙しくなれば複数人で同時に使う場面が出てくることも多いものです。

同時に使う工具は必要量を合計する

複数の工具を同時に使う現場では、各工具の必要空気量を合計してからコンプレッサーの能力を考えます。
たとえば、二人がそれぞれエアサンダーを使うなら、サンダー一台分ではなく二台分の空気を同時に供給できる能力が必要です。
「一台あたりの必要量で選んだら、二人で使った途端に力が出なくなった」というのは、現場でよく聞く失敗です。
同時に使う最大の組み合わせを想定して、その合計に1割以上の余裕を足した吐出量を目安にしてください。
すべての工具が常に同時に動くわけではない現場もありますが、最も負荷が高くなる瞬間を基準に考えておけば、いざというときに困りません。

連続使用の時間も考える

もう一つ大切なのが、どれだけの時間続けて空気を使うかという視点です。短い断続作業が中心なら、タンク容量に頼って比較的小さな機種でも対応できますが、長時間連続して空気を使う作業では、コンプレッサーが休まず空気を作り続けることになります。
連続して空気を使う用途では、レシプロ式よりスクリュー式のほうが連続運転に向いています
レシプロ式は往復運動で空気を圧縮する方式で小中型の定番ですが、長時間の連続運転では発熱しやすく、休ませながら使うのが基本です。
スクリュー式は連続運転や大風量に強く、工場で一日中エア工具を回すような使い方に適しています。
このほか、静音で無給油の機種が多いスクロール式や、大風量に適した遠心(ターボ)式といった方式もあり、用途に応じて選ばれています。

オイル式とオイルフリー式はエア工具でどう使い分けるか

コンプレッサーには、潤滑にオイルを使う給油(オイル)式と、オイルを使わない無給油(オイルフリー)式があります。
エア工具で使う場合、この違いは「送り出す空気のきれいさ」に関わってきます。どちらが優れているということではなく、用途によって向き不向きが分かれます。

給油式は、内部の潤滑にオイルを使うため、ごくわずかながら圧縮空気にオイル分が混じることがあります。
エアインパクトやエアラチェット、釘打ちなど、空気の清浄さがそれほど問われない工具では、給油式でも問題なく使えますし、耐久性に優れた機種が多いのが利点です。
むしろ工具の内部潤滑にとっては、適度なオイル分があるほうが好ましい場合もあります。

清浄な空気が要る用途は無給油式やフィルターを検討

一方で、清浄な空気が求められる塗装や食品・精密用途では、無給油(オイルフリー)式やエアドライヤー・フィルターの併用を検討します。
塗装でオイル分が混じると塗膜にはじきが出て仕上がりを損ねますし、食品や医療、精密機器の現場では空気の汚れが製品に直接影響します。
こうした用途では、オイルフリー式を選ぶか、給油式に高性能なフィルターやエアドライヤー(空気中の水分を取り除く装置)を組み合わせて、空気の質を確保することが大切です。
無給油式には静音タイプのスクロール式などもあり、室内作業の多い現場でも選びやすくなっています。

電源と設置環境も選定の重要なポイント

コンプレッサーは電気で動く機種が多いため、設置場所で使える電源も必ず確認しておきたいポイントです。
電源の種類によって、選べる機種の上限がおおむね決まります。せっかく能力の合う機種を見つけても、その電源が用意できなければ使えませんので、早い段階で確認しておきましょう。

電源は単相100V・単相200V・三相200V

一般的な電源には、単相100V・単相200V・三相200Vの三種類があります。家庭用コンセントと同じ単相100Vは手軽ですが、おおむね1馬力相当が実用上の上限と考えてください。
それ以上の能力を求めるなら、単相200Vや三相200Vが必要です。とくに業務用の大きな機種は三相200Vが基本で、同じ出力なら三相200Vのほうが電流が小さく、安定して運転できます。
工場や整備工場で本格的にエア工具を使うなら、三相200Vの電源が引かれているかをまず確認しましょう。
100Vで使える範囲については100Vエアコンプレッサーの記事に詳しくまとめています。

設置スペース・騒音・搬入経路

能力だけでなく、置き場所も大切です。中型以上のコンプレッサーはそれなりに場所を取りますし、運転音も出ます。
住宅が近い場所や室内では、静音タイプを選んだり、防音対策を考えたりする必要があります。
屋外や電源のない場所で使うなら、エンジン式のポータブルコンプレッサー小型のエンジンコンプレッサーが選択肢になります。
搬入経路に入る大きさかどうかも、購入前に確認しておくと安心です。設置後に「扉や通路を通らなかった」という事態を避けるためにも、本体の寸法と搬入ルートの幅は事前に照らし合わせておきましょう。

失敗しないエア工具用コンプレッサーの選定手順

ここまでの内容を踏まえ、失敗しない選定の手順を整理します。次の順番で考えていくと、抜け漏れなく自分の現場に合った一台を選べます。

  1. 使う工具と作業内容を書き出す。どんな工具を、どんな頻度で、何人で使うのかを具体的にします。
  2. 各工具の必要空気量(L/min)と使用圧力(MPa)を仕様書で確認する。常圧か高圧かもここで確認します。
  3. 同時に使う最大の組み合わせを想定し、必要空気量を合計する。一人作業なら一台分、複数人なら台数分です。
  4. 合計した必要空気量に1割以上の余裕を足し、目標とする吐出空気量を決める。
  5. 断続使用が多いか連続使用が多いかを判断し、タンク容量と圧縮方式(レシプロかスクリューか)を選ぶ。
  6. 空気の清浄さが必要かを考え、給油式か無給油式か、フィルター・ドライヤーの要否を決める。
  7. 設置場所で使える電源(100V/200V、単相/三相)とスペース・騒音を確認し、条件に合う機種を選ぶ。

この手順の中心にあるのは、やはり吐出空気量です。馬力やkWはあくまで機種をしぼり込む目安として使い、最後は必要空気量と吐出空気量を突き合わせて決めてください。
判断に迷ったときや、複数の工具を組み合わせて使う複雑なケースでは、専門業者に相談することをおすすめします。
私たち羽田コンプレッサーでも、使う工具と作業内容をお聞きしたうえで、最適な機種選びをお手伝いしています。

導入後に必要なメンテナンスと長く使うコツ

コンプレッサーは、適切に選んで導入したあと、こまめな手入れを続けることで本来の性能を長く保てます。
エア工具を安定して使い続けるためにも、日々のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
手入れを怠ると、空気の質が落ちて工具の不調を招いたり、機械そのものの寿命を縮めたりすることがあります。

毎日・定期的に行いたい手入れ

もっとも基本的で大切なのが、ドレン(水抜き)です。空気を圧縮すると内部に水分がたまり、これを放置するとタンクの錆や空気の汚れ、工具の故障の原因になります。
使用後はタンク下部のドレンコックを開けて、たまった水を抜く習慣をつけてください。
あわせて、空気を吸い込むエアフィルターの清掃や交換、給油式の場合はオイルの量と汚れの管理、塗装や精密用途で使うエアドライヤーの点検も大切です。
これらは難しい作業ではありませんが、続けることで機械の調子を保てます。

安全に関わる点検は確実に

安全面では、設定圧力を超えたときに空気を逃がす安全弁と、運転を自動で入り切りする圧力スイッチの点検を定期的に行ってください。
これらは万一の過圧を防ぐ重要な部品です。異音や異常な振動、圧力の上がり方がいつもと違うといった変化に気づいたら、無理に使い続けず、早めに専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。
早めの対応が、結果として修理費用を抑え、機械を長持ちさせることにつながります。日常点検と定期点検を組み合わせることで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

よくある質問

エア工具を一つだけ使うなら何馬力のコンプレッサーがあればよいですか

使う工具によって変わるため、馬力だけで一概には言えません。エアインパクトやラチェット、釘打ちのように断続的に使う工具であれば、小型から中型の機種で対応できることが多いです。
一方、エアサンダーやサンドブラストのように連続して大量の空気を使う工具では、見た目以上に大きな吐出量が必要になります。
まずはその工具の必要空気量(L/min)を確認し、それを1割以上上回る吐出空気量のコンプレッサーを目安に選んでください。

家庭用の100Vコンプレッサーでもエア工具は使えますか

使える工具もあります。多くのエア工具は0.6〜0.7MPa前後の圧力で動く設計なので、その圧力を供給できる100V機なら、エアインパクトや釘打ちといった断続使用の工具は使えることが多いです。
ただし100Vはおおむね1馬力相当が実用上の上限で、吐出量に限りがあります。塗装やサンドブラストのように連続して大量の空気を使う作業には力不足になりやすいため、その場合は200Vの機種を検討してください。

複数のエア工具を同時に使いたい場合はどう選べばよいですか

同時に使う工具それぞれの必要空気量を合計し、その合計に1割以上の余裕を足した吐出空気量を目安に選びます。
たとえば二人で同じ工具を使うなら、一台分ではなく二台分の空気を同時に供給できる能力が必要です。
同時使用を想定せずに選ぶと、複数で使った途端に圧力が落ちて力が出なくなるため、最も負荷の高い使い方を基準に考えてください。

レシプロ式とスクリュー式はどちらを選べばよいですか

使い方の連続性で考えます。断続的な使用や小中型の現場ではレシプロ式が定番で、扱いやすく価格も手ごろです。
一日中エア工具を回すような連続運転や、大風量が必要な中大型の用途ではスクリュー式が向いています。
連続使用が多い現場ほどスクリュー式の利点が生きますので、作業時間と空気の使い方を整理してから選ぶとよいでしょう。

まとめ

エア工具に合うコンプレッサーを選ぶうえで、いちばん大切なのは馬力やkWではなく、コンプレッサーの吐出空気量(L/min)と、使う工具の必要空気量の関係です。
工具の必要量に対して1割以上の余裕を持たせ、同時使用や連続使用も想定して選べば、力不足や圧力低下に悩まされることはほとんどなくなります。

工具ごとに見れば、エアインパクトやラチェット、釘打ちは断続使用が中心で比較的小さめの機種でも対応しやすく、エアサンダーやエアダスター、塗装、サンドブラストは連続して大量の空気を使うため余裕のある中型以上が向きます。
あわせて、圧力(MPa)が工具に合っているか、タンク容量は使い方に合っているか、電源や設置環境は条件を満たすか、空気の清浄さが必要かといった点を順に確認していけば、選定で迷うことは少なくなります。

とはいえ、複数の工具を組み合わせて使う現場や、用途が特殊なケースでは、判断が難しいこともあります。
そうしたときは、無理に自己判断せず専門業者にご相談ください。羽田コンプレッサーでは、産業用エアコンプレッサーの販売から修理・点検・メンテナンスまで一貫してお手伝いしておりますので、使う工具と作業内容をお聞かせいただければ、現場に最適な一台選びと、導入後の安心した運用までしっかりサポートいたします。

日常のメンテナンスで緊急なトラブルを未然に防ぐことが大切

日々の業務でコンプレッサーを長く安定して使い続けるためには、定期的な点検や日常的なメンテナンスが非常に重要です。
小さな異変や汚れの蓄積は大きな故障や生産停止につながるリスクを高めてしまいます。


コンプレッサーの性能を維持し、トラブルを未然に防ぐには、基本的な管理ルールの徹底や、異音・振動・圧力変動といった初期兆候への早めの対応が欠かせません。日常的なケアを習慣化することで、設備の寿命を延ばし、余計なコストの発生も抑えることができます。


羽田コンプレッサーでは、多くの現場で培ったノウハウをもとに、コンプレッサーの点検・保守・修理のご相談を承っています。

定期保全のプランニングから緊急対応まで、お客様の設備の安定稼働を全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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